4月8日~10日の下諏訪・諏訪大社下社の御柱祭りで「山出し」「木落とし」が行われました。7年に1度開催される天下の奇祭だけあって、テレビで見た方も多いかもしれません。テレビに映るのはクライマックス、豪快に巨大な柱が滑り落ちていく様子がメインです。実はこの柱、山奥から氏子たちが引っぱってくるのです。写真は下社春宮・秋宮で計8本ある御柱のうち、私が住んでいる地区が担当した「春宮一」が坂を落ちる瞬間です。いやあ、大きな柱。ここに来るまでに、11時間くらいかかりました!
巨大な柱を運ぶのは大変。道路には御柱が通ったあとに、こんな痕跡が残ります。この痕跡をたどって、5月14日(土)〜16日(月)に行われる里曳き(下社の春宮・秋宮の社殿の4隅に柱を建てます)を控え、ざわざわと余韻が残っているけれど、ひとまず日常を取り戻した下諏訪の町を歩いていみました。なんか御柱に関するお宝を探してみようと思って。
たとえば、普通のお家の庭先にある、こんな小さな祠にも4隅に柱が建っています。これも木落としするのかな? 里曳きするのかな? 誰か教えてくれる人はいないかな。この謎は次回に私の順番が回ってくるまでに探ってみたいと思っています。情報大募集!!
天気がよくて暑いので、最近できた香港系カナダ人のエリックさんのカフェ「エリックス・キッチン」に行ってみました。1年くらい前まではガレットが美味しいCafe TACさんくらいしかありませんでしたが、空き店舗をリノベしたカフェが増えています。チャーリーズ・ハウスさん、タロウ珈琲弐号店さん、そしてエリックス・キッチン。なんだか倉庫みたいな店内がかっこいい。エリックス・キッチンは朝が早いから、下諏訪に今までなかった待望のモーニング・コーヒーが飲めます。
Eric’s Kitchen(エリックス・キッチン)
住所 下諏訪町244−17
営業時間 7:30〜18:30
定休日 月曜(不定休あり)
駐車場 1台
https://www.facebook.com/ericskitchen/
なんか面白いネタはないかなあ、と相談するために、御田町のすみれ洋裁店をのぞいてみました。エリックス・キッチンから約2分。休んでばっかじゃないか! ここ、洋裁店とは名乗っているけれど、洋服を作るお店というわけではありません。店主の小口緑子さんは全国的にも人気のある素敵なアーティストさん。三島有紀子監督の映画「繕い裁つ人」に出てきそうな空間が落ち着きます。写真の人形は「手なが足ながさん」という代表作。かわゆいふと見上げると、キューピーさんが法被を着て「よいさ、よいさ」の掛け声とともに両手を挙げているかのようなやつを発見。「ミドリちゃんがつくったの?」と聞けば、「違うよ、御柱のお土産だよ。御柱だから押入れから出してきたの」。よく見るとキューピーさんじゃない。キューピーさんより、ほっぺがずっとぷっくりしています。このソフピ感が今の時代にうけるかもねと笑い合う。
実はオルゴールなんです、これ。ゆっくりしたメロディーにのせて、ゆーくり、お人形も左回りに一回転するのです。ひっくり返してみると「Sankyo」の文字。やっぱり! この曲はなんだろうと聞くと、なんでも知っているミドリちゃん。ちょっと待ってといって近所のおばちゃんに聞きに行ってくれる。薬屋さんのおばちゃんのところで「御柱小唄」と判明。でも「私は嫁に来たものだからお茶屋さんに聞いてみな」と言われお茶屋さんのおばちゃんに再確認し、「御柱小唄」で確定。
すみれ洋裁店
住所 下諏訪町御田町下3210
営業時間 13:00〜19:00
定休日 火・水曜日
電話番号 0266-27-8386
駐車場 なし
http://sumire-yousaiten.blogspot.jp/
こちらも最近できた、日本電産サンキョーオルゴール記念館「すわのね」に行って、スマホで撮った写真を見せながら受付で聞いてみました。「こういった商品は置いてませんね」。それではと日本電産サンキョーさんの広報さんにメールを送ってみることに。後日、日本電産サンキョーオルゴールのAさんからお返事がきました。「御柱祭に合わせた記念商品を製造販売したことはありますが 「ソフトビニールの人形が台の上で静かに回る」という商品は記憶にありません。弊社のお客様が製造した商品かも知れません。 お手数ですが商品の画像を送付して頂けませんか?』と再調査していただきましたが、どうも「Sankyo」の製品ではないっぽい。ウチの父も元「Sankyo」ですが、知らないと。手がかり大募集。
日本電産サンキョーオルゴール記念館「すわのね」
住所 下諏訪町5805
営業時間 9:00~17:30(3~11月)、9:00~17:00(12~2月)
定休日 毎年2月の第1水・木曜日 ※展示替え等により休館日
電話番号 0266-26-7300
入場料 大人1000円/小中学生500円
駐車場 建物に隣接(坂の上側)
http://www.nidec-sankyo.co.jp/museum/
あなたの名前はなんていうの? あなたはいつ生まれたの? どこで生まれたの? 兄姉弟妹、お友達は何人いるの? そして小さい祠の御柱について、木落としはするの? 里曳きはするの? こういう小さな祠はまだまだあるの? 下諏訪の不思議を知りたい! 知りたいこといっぱい。
そうそう、ミドリちゃんが見せてくれた、御柱土産の手ぬぐいも紹介しておこうかな。これは、年に1回、御田町の駐車場に出現する少年少女のための謎の惑星「コスモス」の様子を描いたもの。現在、御田町で発売中。「コスモス」でも7年に1度、御柱のような「えんぴつ祭り」というのが開催されるんだとか。それは、また11月のお話ということで。
いまいこういち(『engawa』)
フリー編集者
大学では油絵を学んだのに、日刊文化通信に就職し、放送業界の取材となる。その後、シアターガイド編集部にて16年過ごし、まつもと市民芸術館広報担当をへて、今は地元でフリーの編集者、ライターとして活動。演劇を軸にしつつも、クラフト工芸、アート、町工場、農業まで幅広く「つくる人・現場」を取材。また、長野県の文化・芸術に関する情報を収集、発信をするサイト NaganoArt+の編集長をつとめる。http://naganoart-plus.net/